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さぬき映画祭2025を2月8日(土)〜9日(日)の2日間で開催しました!

2月7日(土)・8日(日)の2日間、レクザムホール、イオンシネマ高松東、情報通信交流館e-とぴあ・かがわの3会場で、「さぬき映画祭2026」を開催しました。 さぬき映画祭は、映画・映像による地域文化の振興と香川の活性化を図ることを目的に、2006年から毎年開催しており、今回は記念すべき20回目となります。
開会式に続いて第10回シナリオコンクール表彰式を行いました。
また上映会では、「さぬき」にこだわり、県内で撮影された作品など、香川にゆかりのある作品の上映やトークイベントを実施しましたので、その一部を紹介します。

第10回シナリオコンクール表彰式

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左から:朝原審査員長、鈴木啓太(大賞)、赤葉小緑(優秀賞)、松田佐保里(優秀賞)、西山莉世(中島貞夫賞)

今回で10回目となるシナリオコンクール。過去最多の応募となる40作品の中から入賞作品を発表し、受賞者の皆さんには賞状等が授与されました。大賞は『オオハシ』の鈴木啓太さんが受賞し、優秀賞は『プレイボーイガール』の赤葉小緑さんと『ひだまりの食卓』の松田佐保里さん、中島貞夫賞には、『させまい!墓じまい』の西山莉世さんが選ばれました。
大賞の鈴木さんは、3年前に香川へ移住し、さぬき映画祭に観客として参加したことがきっかけで映画づくりに関心を持ったそうで、また、今年度のシナリオ講座の受講や、「ワタシ、発酵します!」の松田恒代監督の撮影に携わった経験も今回の挑戦につながったとのこと。今後は、ご自身が監督を務めて映画を制作してさぬき映画祭で披露したいと、香川の魅力を盛り込んだ映画づくりへの意欲を語ってくれました。また、本コンクールの朝原審査員長からは、シナリオの技術の高さに加え、香川の課題でもある若者の地元離れを、暗くならずユーモアを込めて描いた点が高く評価されたとの講評がありました。

令和7年度映画制作補助作品 オープニング上映ワタシ、発酵します!

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ゲスト(左から):永井なおき(俳優)、松田恒代(監督・脚本)、中村樹里(俳優)、福岡佑兼(俳優)、田中菜月(俳優)、範国といろ(俳優)、西見桂(俳優)、橋本ゆり(俳優)、額田信一(俳優)、William Alastair Robertson(俳優)、邉拓耶(俳優)

第8回シナリオコンクール大賞作「発酵オバサン今日も行く」を映画化し、初公開しました。自身で監督を務めるのはもちろん初めての松田監督。2年前に大賞を受賞した際は、第4子をお腹に宿していた時期で、喜びだけでなく様々な不安もあったといいます。そんな中、周囲からは「(映画制作の)メンバーが決まれば作品はもうできたようなもの、まずは出産に集中して」と声をかけられたことが大きな励みになったと振り返りました。
醤油職人見習いの愛華役として出演した田中さんは、女優として活動する一方で「発酵活動家」としても知られる人物。発酵に出会ってから人生が大きく変わり、ぬか床づくりや発酵を伝える活動を続けているそうです。そんな経験もあり、今回の作品に出演することになったとのこと。田中さんからの「皆さん発酵してますか?」との呼びかけには、会場から拍手が起こりました。
松田監督は「子どもが4人いて時間を作るのは本当に大変でしたが、よく頑張ってこられたと思います。この映画は、クリエイティブのメンバーやスタッフの方々のおかげで完成しました。皆さんも一緒に発酵していただけたら嬉しいです」と笑顔で語りました。
また会場には東かがわ市の上村市長や、かめびし醤油の関係者の皆さんも駆けつけており、地域の協力のもと制作された作品であることが伝わる温かな上映会となりました。

香川県出身の朝原雄三監督が脚本を手掛けた最新作!TOKYOタクシー

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ゲスト:朝原雄三(脚本)

車内のシーンは実際に走行して撮影しているように見えますが、ほとんどがスタジオで撮影されたとのこと。半円球状のドームの内側に映像モニターを敷き詰め、事前に撮影した街の映像を映し出すという最新技術で、実際に走っているかのような空間を再現しています。俳優が横を見ると本当に景色が流れているため演技はしやすい反面、映像の動きで車酔いのような感覚になることもあったといいます。
この背景映像の撮影も大掛かりで、カメラを複数台搭載した改造車で360度の風景を収録し、セリフのタイミングに合わせてルートを決めながら撮影を行ったそうです。
撮影では苦労も多く、朝原さんや助監督が代役で芝居をしてタイミングを測る場面もあったとのこと。しかし「木村拓哉さんは芝居の“間”が長いんです。美男子だからニコニコしているだけで間が持ってしまう。でも僕らがやるとすぐセリフを言っちゃうから、全然尺が足りなくなるんですよ」と苦笑い。結果、何度も撮り直すことになったという裏話に、会場からも笑いが起こりました。

瀬戸内国際芸術祭2025でも上映された、小豆島全編ロケ作品 海辺へ行く道

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ゲスト:横浜聡子(監督)

原作漫画の大ファンだという横浜監督。原作者の三好銀さんの作品を10年以上前から愛読しており、「いつかこの漫画を映画にできたら」という思いを抱いていたといいます。2018年頃に映画化の話が持ち上がった際には、「一番といえるくらい好きな作品なので、ぜひやりたい」と即答したそうです。
原作は分かりやすい物語というより、人の心の奥にある記憶や感情を呼び起こす不思議な魅力を持った作品。ささやかな日常や人々の姿を独特のユーモアで描く点に惹かれたと語りました。
撮影地となった小豆島については、瀬戸内国際芸術祭の舞台でもある土地で、町と自然がほどよく共存する雰囲気が作品に合うと感じたとのこと。撮影ではフィルムコミッションや地元の協力も大きく、100人ほどのエキストラが必要だった「静踊」のシーンでは、前日まで「本当に集まるだろうか」とドキドキしていたのだそう。撮影当日は島の内外から多くの人が集まり、無表情で踊るあの印象的なシーンが出来たのだと語ってくれました。

香川フィルムコミッション推薦作品本を綴る

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ゲスト:篠原哲雄(監督)、千勝一凜(脚本)

「香川に来ると、なんとなく“ただいま”という気持ちになるんです。そうすると皆さんが“おかえり”と迎えてくれるような温かい空気があって、とても感謝しています」と語りながら登場した篠原監督と脚本を務めた千勝さん。
撮影地に香川を選んだ理由について質問されると、篠原監督は「高松には宮脇書店さんや本屋ルヌガンガさん、さらに半空というバーなのか本屋なのかわからないようなお店もあって、魅力的な場所を描けると思った」と話し、香川の個性的な書店文化に惹かれたことを明かしました。
劇中の舞台となる「半空」について、千勝さんは「以前から気になっていた場所で、そういう場所にはそっと行ってみるんです」と振り返ります。気になる場所は事前に調べたうえで訪れ、店主やお店の雰囲気を自分の肌で感じるのだそう。そこで撮影の相談をし、了承が得られるとロケハンの準備と脚本の調整を同時に進めていくといいます。脚本家でありプロデューサーでもある千勝さんならではの制作エピソードが語られました。

松居大悟監督と上田誠さん(ヨーロッパ企画)の初タッグ作品!リライト

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ゲスト:松居大悟(監督)

今作品はヨーロッパ企画の上田誠さんとの初タッグ作品ということで、どのようにして脚本を考えたのか聞かれた松井監督。上田さんが“時間もの”ならではのパズルのような緻密なロジックを組み立て、自身はそこに余白や曖昧さを加える形で脚本を仕上げていったといいます。すべてを説明するのではなく、観客が「どういうこと?」と考えながら物語を追いかけられる情報量やスピード感を意識した構成にしたそうです。師匠と公言する上田さんとは長い付き合いということもあり、気兼ねなく意見を交わしながら制作できたとも語りました。
本作は、大林宣彦監督の『時をかける少女』の舞台として知られる尾道でオールロケを敢行し、同作へのオマージュも随所に散りばめられています。来場者から尾美としのりさんや石田ひかりさんの出演について質問が寄せられると、「お二人とも快く出演を引き受けてくださり、当時の現場での大林監督とのエピソードを話してくれるなど、思いを馳せながらお芝居以外の面でも気持ちを尽くしてくれたなと思います」と語り、撮影現場の温かな雰囲気を振り返りました。

これまでのシナリオコンクール大賞受賞作を映画化した作品を一挙上映!シナリオコンクール大賞作品一挙上映

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さぬき映画祭ではこれまでに7作のシナリオが映画化されており、20回目を迎えた今回の映画祭で、それらを一挙に上映。当日は入場券配布の時間前から長蛇の列ができるほどの注目ぶりで、会場の期待感が伝わってきました。上映された作品はいずれも制作者の思いが詰まっており、さぬきの風景や魅力がスクリーンいっぱいに広がるラインナップに。中には7作品すべてを鑑賞したという方もいるなど、観客の熱量の高さが印象的でした。
地域映画祭である「さぬき映画祭」ならではの取り組みとして、シナリオ執筆から映画制作、そして完成作品を映画祭で上映するというサイクルを確立・継続しています。映像文化を担う人材育成を目的に、脚本づくりを学ぶ講座や、今年度で10回目となるシナリオコンクールも実施。さらに、コンクールで大賞を受賞した作品については映画化を支援する事業も行ってきました。
今後もスクリーンの大画面で映画の魅力に触れていただく機会を創出するとともに、映画・映像を通して香川の魅力を発信していきたいと考えています。

ご参加いただいた皆様、サポーターとしてご支援いただいた皆様
ありがとうございました!

今年はレポートで紹介した以外にも、香川ロケ作品やゆかりのある様々なジャンルの作品上映を実施しました!
2日間、さぬき映画祭をお楽しみいただき、ありがとうございました!

待ってるツル♪