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さぬき映画祭2024を2月3日(土)〜4日(日)の2日間で開催しました!

18回目の今年も、「さぬき」にこだわり、県内で撮影された作品など、香川にゆかりのある作品を中心に様々なジャンルから選んでお届けしました。

三豊市 中学生映画制作スクール作品みとよ物語

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ゲスト:山下昭史(三豊市長・左から2番目)、映画制作スクール生徒

2019年からスタートした「三豊市中学生映画制作スクール」は、プロの指導を受けながら、市内の中学生が主体となって映画作品を作り上げるという活動で、これまでの5年間で制作した作品が上映されました。
制作に携わった生徒たちからは「映画を作るのって大人になってからが一般的だけど、子どもの感性が薄れてから作られるものが世の中には多くて、中学生だからこそ分かる理不尽に対しての嫌な気持ちとか表現が作品に出やすい時期なのかなと...いい企画だなと思って参加してました。」「三豊市だけでしか会えない人たちと関われて、自分も変わった気がするし、周りにも『おっ?』と思わせられるようなそんな風になれたので、この場所に立つことができてよかったです。」としっかりとした熱い思いを笑顔で語ってくれました。
さぬき映画祭実行委員会からは、これまでの「映画制作スクール」の功績に対して、三豊市と映画制作スクールへそれぞれ感謝状が贈られました。

令和5年度映画制作補助作品 オープニング上映 盆栽ラップソディー

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ゲスト(左から):鵜川京子(脚本)、武田龍八(監督)、吉田愛美(俳優)、ロビン(俳優)、
八木景子(俳優)、四宮菜々子(俳優)

第6回シナリオコンクール大賞作品である「盆栽ラップソディー」を映画化し、初公開しました。
上映後、オリジナルのチームTシャツで登場した武田監督は、「好きな映画の文化の一つに、手渡しの文化というのがあります。例えば高価な機材を受け取ったら『持ちました』、離す時には『離します』と言って、お互いにちゃんと伝え合うっていうことが大事なんです。盆栽ラップソディーでも、鵜川さんから脚本を『持ちました』、『離します』といった形で、お互いに信頼をもって進められたことが嬉しく思います。」と語ってくれました。
映画制作補助事業審査員長の朝原監督からは、「クライマックスの盆栽祭りにもっと力を振り絞って演出や演技をして欲しかった。一番大事な所はカメラがもっと寄って、いい表情で撮ってあげないと説得力に欠けてしまう。それくらいポテンシャルの高い、自分だったらこうしたいなと思ういい話だったし、グランプリを獲って上映するに値する作品だと思います。」とプロ目線のアドバイスを交えた講評をいただきました。

本広監督とうどん店店主が、皆さんと一緒に作品を観ながら解説!UDON コメンタリー上映

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ゲスト(左から):白川陽一(SIRAKAWA店主)、本広克行(監督)、山下義高(純手打うどんよしや店主)

観客の皆さんと一緒に映画「UDON」を観ながら本広監督とうどん店店主の白川さん、山下さんの3人で、当時の裏話や設定などを生解説するという初の試み。
白川さんが登場するシーンでは「さぬき弁で喋っていたのに、何回も直されたからな。語尾が違うって。まさか30何年生きてきて、さぬき弁を直されるとは思わんかった」と撮影時を思い出していました。上映後には、映画祭のマスコットキャラクターであるうどん脳も登場。本広監督は「久しぶりにこの映画を観て可笑しくて可笑しくて。ずっと笑ってましたね。よくこれ、いろんな人が許したなぁと。今では考えられないですね。プロデューサーともこの話になって、『お前、やりたい放題やってたぞ』って。でも、ここにはこういう映画があるんだなって言うのが、ちょっと誇りになりましたね。この映画を作ったからこそ今があるなって思いました。」と笑顔で語り、会場からは温かい拍手が巻き起こりました。

三豊市出身監督作品鬼が笑う

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ゲスト(左から):三野龍一(監督)、三野和比古(脚本)、大里菜桜(俳優)、半田周平(俳優)

三野龍一監督と脚本を担当した三野和比古さんは、三豊市出身で、「兄弟映画制作チーム「MINO Bros.」(三野ブラザーズ)」として本作品を制作されました。三野監督には、12月に行われたさぬき映画祭プレイベントでもゲストとしてお越しいただきました。
社会的なテーマを描く作品の多い三野監督ですが、今回も外国人労働者へのいじめという現代の課題がテーマで、制作に至った経緯を質問されると「映画監督になってから周りが変わったんですよ。もっとペーペーの時に同じことを言っても、何も伝わらなかったことが監督になって言ったらすぐ「YES」ってなるのが社会だなと思っていて。立場とか肩書きによって、言ってることや行動が同じでも対応が変わってしまうのが納得できなくて。だからあんまり「監督!」って言ってくる人も好きじゃないんですけど。弱者とかも同じ人間なのにっていうのがずっとありましたし。外国人労働者のことをっていうんじゃなく、ただただ同じ人間だったりとかそういった人をテーマに映画を作りたかったところからだった気がします。」と作品のテーマに込めた思いを語ってくれました。

さぬき映画祭にご尽力いただいた故 中島貞夫監督 追悼上映遊撃 / 映画監督 中島貞夫

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ゲスト(左から):松原龍弥(監督)、大津一瑯(脚本家)

中島監督の若い頃の写真をデザインしたTシャツを着て登場の松原監督。
中島監督の前夫人の貞子さんからの手紙のシーンについて大津さんから「貞夫と貞子なんですけど。これは意図的に監督の愛情物語と多十郎とを結びつけたとかはあるんですか?」と質問され、松原監督は「編集の大詰めの段階の時に、最後にインタビューをしようと京都にある中島監督のマンションの書庫みたいな所に行ったんです。そこにその時だけ柳行李やなぎごうりがあったんです。『まっちゃんそこ開けてみて』って言うわけです。開けてみたらその中に中島監督と貞子さんとの往復書簡が山積みにされてたんです。それを好きに使えって言われたんですよ。これをいいよって言われたのはメッセージかと思って、自分の中に潜在的にあった貞子さんへの監督の思いみたいなものが、多十郎にとってのおとよに重なってるような気がして、自分のより芯の強いものとして残ったのでそういう編集をさせてもらいました。」と当時を思い出しながら話してくれました。

香川県出身の俳優 高畑淳子さん主演で、2024年5月末に全国公開予定の最新作お終活 再春!人生ラプソディ

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ゲスト(左から):水野勝(俳優)、高畑淳子(俳優)、香月秀之(監督・脚本)

前作「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」の続編となる今作。今回、シャンソンを歌うシーンのあった高畑さんは「大親友の女優さんに、『おしゃべりは面白い。けどね、おねーちゃん歌はやめといたほうがいいよ』って言われてて。これ本当に聞かせたらアウトですよ。でも作品としてやれと言われたらやりますけど...。」と自信が無かったそうですが、水野さんからは「制作発表で、記者の方から『今作では歌われるんですよね?歌どうですか?』と質問されていて。このあと撮影なのに大丈夫かなって思っていたんですけど、完璧に歌われていたのでさすが。」と絶賛されると、会場からは拍手が巻き起こっていましいた。
香月監督からも「”再春”というタイトルで、若い頃にやりたかった夢をもう一度叶えるっていう設定ですからね。高畑さんに僕が言ったのは、上手じゃなくていいんですよ、主婦が歌うわけですからプロが歌う映画じゃないので。でも気持ちは入ってた方が感動するので、それだけは高畑さんになんとかやってもらいたかった。」とアドバイスしたそうで、高畑さんは「それが救いでしたよ。若い時の夢をもう一回やるんだって、それをやれるんだっていう喜びに満ちていれば、歌は下手でもいいかなぁと・・・。」と苦戦した当時の思い出を語り会場を沸かせてくれました。

ご参加いただいた皆様、サポーターとしてご支援いただいた皆様
ありがとうございました!

今年はレポートで紹介した以外にも、香川ロケ作品やゆかりのある様々なジャンルの作品上映を実施しました!
2日間、さぬき映画祭をお楽しみいただき、ありがとうございました!

待ってるツル♪