さぬき映画祭2023レポートreport
17回目の今年も、「さぬき」にこだわり、県内で撮影された作品など、香川にゆかりのある作品を中心に様々なジャンルから選んでお届けしました。
令和4年度映画制作補助作品 オープニング上映
人名 の島
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第5回シナリオコンクール大賞作品「人名の島」を映画化し、初公開しました。
上映後、映画制作補助事業審査員の大津先生からは、「木山監督をはじめ、これまで香川での映画制作に携わってきた多くの人が関わった作品。まさにオールさぬき。これから、この作品をたくさんの人に広め、育ててほしい。」と今後の活動に期待を込めた講評をいただきました。
木山監督からは、「私もシナリオを読むまで、『人名』という言葉すら知りませんでした。この作品をとおして、本島の人名制など、まだまだ知らない讃岐の部分をたくさんの人に知ってもらいたいと思います。」と笑顔で語ってくれました。
小豆島が舞台の人気アニメ劇場版「からかい上手の高木さん」
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上映に先立ち、作品の舞台となった小豆島の観光スポットを、土庄町の職員がスライド写真で紹介してくれました。
上映後は、赤城監督から制作時のお話を伺いました。単独で小豆島ロケに行った際、中山の棚田で農作業されているご婦人に遭遇したそうで「手作りのおにぎりを凄く美味しそうに食べてて。毎日見てる風景だと思うんですけど、初めてのようにキラキラしてて。本当にこの映画でこの人が見ているような風景を描けれるのかと、難題をもらった気分でした。」と思い出して感慨深い様子の監督。また、フェリーで声をかけられたファンの方に「何にもないと思っていた小豆島が、(作品を観て)凄くいいと思えました。だから僕は帰ってきました。」と声をかけられたそうで「凄く嬉しかったですね。」と笑顔で語ると、会場からは暖かい拍手が湧き起こりました。
令和元年度映画制作補助作品ぐるり1200キロ、はじまりの旅
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主演の昆夏美さんによる、本作主題歌「WALK」が披露されたあと、香西監督を交えたゲストトークがスタート。なんと撮影が決まった当時、香西監督は妊娠8ヶ月だったそうで「四国一周は難しいので、香川一国参りにして、(お遍路は)お母さんが全部回ったということにしました。主演の昆さんのミュージカル俳優としての歌声が素晴らしいので、ミュージカル俳優を目指すお母さんという内容に脚本を変えさせてもらいました。」と、原作から設定を変更することで、撮影を乗り切った当時のエピソードを語ってくれました。
香川県在住の監督作品はちみつレモネード & 虹色はちみつ
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ゲストトークで「虹色はちみつ」の発想について聞かれた梅木監督は、5年前、香川から東京都目黒区に転居した女の子が、養父に虐待を受けて死亡する事件が、世間の注目を集めており、少子化の時代に子供を守る話を作りたいと思ったそうです。養護施設の方や医師の取材協力を得て、シナリオを書きはじめてから4年越しの映画完成になったと語りました。撮影時のエピソードでは、うどんを食べるシーンで何回も角度を変えて撮影したそうで、鈴木咲ちゃんは2杯も食べたらしく「大好きすぎちゃった。」とコメントの可愛さに、みなさんの笑顔がこぼれていました。
ベストセラー小説の小豆島ロケ作品八日目の蟬
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今作の企画が立ち上がった後、撮影及び上映、各映画祭の授賞式まで一貫して携わった浅生さんと小豆島フィルムコミッションの有本さんのお二人をゲストに、撮影当時を振り返ってもらいました。
小豆島でのロケは、100人規模のスタッフによる12日間の日程で敢行されたそうで、コンビニの少なかった当時、ロケ隊がくるとコンビニから物が消えてしまうなんてこともあったのだとか。また、印象的な虫送りのシーンでは、当時の中山地区は少子高齢化のため、
長い間行事が途絶えていたそう。しかし、どうしても撮影したいという監督の希望で、何度も何度も断られながらも諦めきれず交渉を続け、なんとか再現することができたのがあの幻想的なシーンなのだとか。そして驚くことに、撮影での復活を機に、10年経った今でも虫送りの行事がずっと開催されているとのことで、お二人とも感慨深い様子でした。
リクエスト募集投票の多かった上位3作品 「曲がれ!スプーン」「世界の中心で、愛をさけぶ」「とんび」を一挙上映!
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© 2009フジテレビ/ROBOT/博報堂DYメディアパートナーズ/東宝/日本映画衛星放送曲がれ!スプーン
© 2004 東宝/TBS/博報堂/小学館/S・D・P世界の中心で、愛をさけぶ
© 2022『とんび』製作委員会とんび
今年は、映画館で観たい作品を「さぬき」、「四国」、「瀬戸内」がロケ地の10作品から、投票してもらい、上映するという初の試みを行い、投票の結果「曲がれ!スプーン」、「世界の中心で、愛をさけぶ」、「とんび」の上位3作品を上映しました。
上映会終了後のアンケートでは、「今回のように映画ファンのリクエストで選ばれた映画を観ることができて、
とても本質にあっていると思う。」「約20年ぶりに観られて懐かしかった。」「香川県に関係した映画だということを初めて知った。」など、たくさんの嬉しい感想をいただきました。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました!
今年はレポートで紹介した以外にも、香川ロケ作品やゆかりのある様々なジャンルの作品上映を実施しました!
2日間、さぬき映画祭をお楽しみいただき、まことにありがとうございました!