sanuki story project

73保育園の同窓会 香川県  匿名希望さん
驚いた話 青春モノ・運命的な話
中3のとき、好きなひとがいた。
意識しはじめたのは修学旅行のとき。同じクラスで、バスで席が近くて、多分それから。彼は優しくて、面白くて、頭のいい男の子だった。シャツ出しの似合わない子だった。
私は彼が大好きだった。席が後ろになった日には、もう有頂天になって。たくさんしゃべった。仲良しだった。だから、夏休みが来るのがつらかった。夏休みが来れば、しばらく会えなくなるから。
やがて夏休みが来て、私は彼に会わなくなった。
ある日、友達からハガキが来た。保育園のときの友人からの、往復ハガキ。同窓会のお知らせだった。
私は部活をサボって、それに行った。懐かしいメンバーが、たくさんいた。仲の良かった友達も、たくさんいた。
そして、その中に彼の姿があった。
は?と思った。彼は何も驚かず、普通に挨拶をした。
話を聞くと、彼は保育園のときと名字が違うらしい。にしても、半年近く同じクラスで、しかも向こうは気づいているのに、なんで私は気づかなかったんだ!そう思ったけれど、彼との繋がりがあったのが、嬉しくて、どうでもよかった。ドラマみたいなこともあるんだなぁ。
やがて彼にはフられたけれど、彼は私にとって、今まで恋したどんな男よりも、忘れられないひとになった。