sanuki story project

43猫神様 香川県  匿名希望さん
怖い話 その他
私の畑は小さいながら、柿の木や枇杷等が植えてあり、またムクゲ等の花木も生えております。夏には、この木陰で、熱中症を避けるために、作業の途中で休憩しているのですが、ある夏の日の午前中、いつもどおり畑に行き、この木陰の下を通り抜けようとすると、もぐらが一匹横たわっているではありませんか。しかも、喉元から血を流して死んでいました。畑にはもぐらが居て、ボコボコ土を掘り起こし困っていたのですが、そのもぐらの一匹かもしれません。私は、(ぎゃー)と思ったのですが、取りあえず、その日は、ムクゲの木の根元にもぐらを埋めました。そして、次の日の同じ時間帯に、同じようにそこを通ると、(ぎゃー)と、飛び退きました。今度は、15~16センチ程の子供の蛇が、同じように喉元から血を流して、死んでいました。その死体も木の根元に埋めました。2日も続けて、しかも同じ時間帯で同じ場所で、私は、誰かがイタヅラで、死体を2日続けておいたのではと、嫌な予感がしました。そして、3日目の日、同じ時間帯に、同じようにそこを通ると、(あっ)、そこには、黒と白の斑の猫が居て、一瞬、私とにらみ合いになり、私はその猫を追いかけ、畑の外へと追いだしました。そう言えば、私が畑に来ると、時々、木陰に佇むこの猫と遭遇していたのです。日本には畑を荒らす鹿や猪を退治してくれた狼を祀っている神社があると聞きましたが、その猫は、ある意味では、もぐら等を退治してくれる猫神様だったかもしれません。、