sanuki story project

36母さんのお腹の中 香川県  塩田純久さん
驚いた話 家族ネタ
私の娘は平成元年生まれで、上に姉と兄がいる三番目の末っ子で、現在は、大学を卒業して社会人となり、大阪で働いています。その娘が、確か、小学校高学年頃だったと思います。私の父母、妻を含めて家族7人全員で晩御飯を食べている時に、私に向かって、「お母さんのお腹の中で居た時に聞こえてきた音?・声?は、恐らく、みんなでワイワイガヤガヤ言いながら食事をしている時の声だったような気がする。お母さんのお腹の中は、せまくるしくて、壁はぶよぶよして、何か音が、壁の外から聞こえてきた。ただ、自分はむしょうに眠たくて眠たくて仕方がなかったことを覚えている。」と、言いました。私は、「へー、本当。」と、半信半疑ながら返事をしたことを覚えています。でも、「せまくるしくて、壁はぶよぶよしていて、しかも、むしょうに眠たくて眠たくて仕方がなかった。」と言う私の娘の体験は、非常にリアリティのある話だと思い、その時、(胎教は本当に大切なことかもしれない)と、私は思った。
 その娘が、もっと小さい頃のことですが、ある冬の日に、大きな雪の粒が空から降ってきた時に、言った言葉が、「トラが降ってきた。」と、私は、一瞬動物園のトラが家に飛び込んできたのかと思いましたが、(あっそうか。)「あれは雹(ひょう)だよ。」と、娘に教えたことを、覚えている。