sanuki story project

201暗闇に浮かぶ手 香川県  匿名希望さん
怖い話
私が中学生の時の話です。なかなか寝付けないある夜の事。暗闇に目が慣れた頃、ふと押し入れの方を見ると…押し入れの戸が10セントほど開いていて、その隙間に白いモノが浮かんで見えました。よ~く目を凝らして見ると、赤ちゃんの手の様なものが床から高さ30センチほどのところに見えます。一気に心臓の鼓動が速くなり、怖くて硬く目をつむりました。隣の部屋の親のところに行こうとしましたが、子供ながらにも寝ている親を起こしてはいけないと思いました。自分で確認するしかない!心臓の爆音が少し治まるのを待って、枕を抱えながら押し入れの方に近付きました。近づくごと、その白いモノはますます手の形をあらわして行きました。「これは何?誰?」怖さよりも好奇心が強くなって行きました。
しかし、押し入れに手をかける事が出来ません。耳を澄まし、中の様子を探りますが、何も聞こえてきません。押入れまであと一歩。
呼吸が大きくなってきました。もう!空けるしかありません!
バーーーーン!押し入れ全開!!
私の目の前に現れたのは!!目が大きく口の小さい、肌が白く、しっかりと自分の足で立っている。そして体が硬い、キューピーのお人形でした。大きな安堵とともに、頭に浮かんだのは弟の顔でした。
いたずらしたな・・・あいつ・・・
キューピー人形を抱え、弟の部屋へ。弟の布団の中にそっと入れてあげました。
翌朝、バツの悪そうな弟の顔。昨夜私がどれだけ恐怖を感じていたか!大きな声で弟が反撃できないほど、姉の特権で、上から目線で弟に説教しました。その日から弟は私に口応え出来ない私の子分となりました。今でもどこかでキューピーちゃんを見ると、この日の事を思い出します。