sanuki story project

13村のこどもの祭り・復活 香川県  谷本淳さん
感動した話 子ども時代・地域の話
暑い夏が終わり、夕闇迫る頃、どこからともなく獅子の鉦と太鼓の音が聞こえてくるのを、楽しみにしていた。当時(昭和30年代)、小学生の私は、夕飯を搔き込んで、部落の公民館へ小走りで夜獅子の稽古に行ったものだ。今とは大違い、子供が夢中になる遊びが少なかったのだ。五穀豊穣を祝う氏神様(日抱神社)の秋祭りには、宵祭りに、部落の各戸への獅子の家つかい、本祭りには、お宮様での獅子舞の奉納がある。全部で、10頭が揃う、地域最大の、実に賑やかな晴れ舞台である。老若男女に、当時はたくさんの子供が集まり、自分の部落の獅子舞を自慢して、学校の行き帰りは盛り上がったものだ。、また、氏神様の春祭り、春市も大変賑わい、多くの露店が並び学校の授業が終わるのを待ちかねて駆け参じたものだ。
時は移り(2014年)、村にも少子化の波は打ち寄せ、村の氏神様の祭りは、細々と白髪交じりの大人・老人の憩いの場と変わって行った。春祭り・秋祭りには、その年の陶組の関係者以外の参拝者が少なく、寂しい限りであった。
これではいけないと、日抱神社に私を始め10人の宮総代と宮司が集まり、先ず、春市の復活のための知恵を絞った。その結果、今年の春市の式典の後に、餅にお菓子などの福投げをすることになる。事前に地域(各自治会、幼稚園、保育所、小学校等)へ案内をした。当日は、天候にも恵まれ、本宮前には、多くの子供連れの老若男女が約300人も集まり、村は大いに盛り上がり、祭りは復活した。子供たちが帰ってきた。大成功だ!!秋祭りが待たれる。