sanuki story project

146 香川県  岩田陽子さん
笑える話
最近、引っ越しをした。
連日35℃以上という暑い夏の最中に。9階建のマンションから、3階建の3階に。
田舎の畑の中にぽつんと建っている。
夫は、単身赴任、息子と二人での生活。
汗を、ダラダラ流し、ようやく終わった、1日目の夜だった。
窓を開けて、過ごし、もう寝ようとした時だった。3センチ位の羽根の付いた虫が電灯の周りをブンブン飛んでいた。
息子は早々と寝ているので、静かに追い詰めて退治した。
次の日、虫除けグッズを大量購入。
なんせ息子はアリすらもダメな子なのだ。
その後も密かに虫退治をしていたのだが、息子も気付いていた。
ある日のこと、「虫除けスプレー買ってきて」とボソッと言った。
「このマンション虫多いよね。」
「だな」
「何でかな」
「草原あるからじゃね」
「えっ草原?」
「あるだろ。マンションの横」
次の日の朝、窓から辺りを見回した。
畑、田んぼ、家それと、あった。
家3軒分位の原っぱ。
雑草がギラギラの太陽の下で、元気に育っていた。