sanuki story project

111二人を繋いだ運命のうどん 埼玉県  匿名希望さん
感動した話 うどんネタ
うどん好きの老夫婦が住んでいた。

二人はうどんがきっかけで出会い、
うどんとともに幸せな結婚生活を50年送ってきた。
おじいさんは香川出身、おばあさんは東京のキャリアウーマンだった。
おじいさんのいきつけのうどん屋さんで、香川にうどんツアーで来ていたおばあさんと出会い、意気投合。二人は結婚した。
おじいさんと香川のうどんに一目ぼれしたおばあさんは、結婚と同時にうどんの修行を開始。
とてもおいしいうどんをうてるようになった。
おじいさんは、おばあさんも、おばあさんのうどんも大好きだった。

ある日、おばあさんは自分が味覚障害になったことに気が付いた。
原因はうどんの食べ過ぎによる糖尿病。おじいさんにこの事は知らせていない。
うどん好きのおじいさんが味覚障害になって欲しくないおばあさんはうどん作りをやめた。
突然うどんを作らなくなったおばあさんに、うどんにも自分にも興味がなくなったとおじいさんは勘違いをした。
その後、おばあさんはおじいさんの身を考え離婚を決意した。
しかしおじいさんは諦めなかった。おばあさんが大好きだった。
おじいさんはもう一度興味を持ってもらいたくてうどん作りを始めた。
ついにうどんを自分で作れるようになった。うどんをとにかく食べ、ひたすら味を追求した。
そんな生活を続けていたので、ついに糖尿病にかかってしまった。
そして、味覚障害にもなってしまった。
ようやくおじいさんはおばあさんの気持ちに気が付いた。
しかし糖尿病が悪化、余命があと5日になった。
おじいさんはこんな状態だからこそもう一度会いたかった。
おじいさんは何とかおばあさんを見つけだし、再会を果たした。
おじいさんは、自分の体を心配してくれたこと、今までのことをおばあさんに感謝した。
その気持ちが伝わりおばあさんはヨリを戻した。
この時点でおじいさんの余命は残り3日を過ぎていた。
おじいさんが作ったうどんを夫婦で食べた。
おばあさんは味覚障害で味が伝わりにくいはずなのに、
なぜかおじいさんの作ったうどんだけはおいしいと言い、涙を流しながらうどんをすすった。
夫婦で最後の食事が終わったはずだったが、愛情のこもったおいしいうどんを食べ、おばあさんはおじいさんを諦められず病院に連れて行った。
運よく診てくれた先生が人工透析の名医で、おじいさんは奇跡的に延命することができた。
今も夫婦は持病と上手に向き合ってささやかながら幸せな生活を続けています。