sanuki story project

95誘惑のイモ天 東京都  匿名希望さん
笑える話 うどんネタ
食いしん坊の友達と『さぬきうどんツアー』をすることになりました。
朝一番の飛行機で羽田を出発、1時間ちょいで高松空港に到着。早速、空港近くでレンタカーを借りました。レンタカー屋さんで「うどんナビ付きにしますか?」と聞かれ、普通のナビより割高だったのでお断りしたのが運のつき! お目当てのうどん屋さんはたいがいわかりにくい場所にあり、土地勘のない我々はぐーるぐる山道を彷徨うことになるとは。恐るべし、うどんナビ。
 まず、1コケ目は空港近くの評判のうどん屋さんは開店前。張り切って早朝出発が仇になり…。
 予定を変更して、山の上にあるうどん屋さんにGO! 開店1番乗りで「かまたま」並を注文。はふはふと熱いうどんが、すきっ腹に吸い込まれていく。は~来てよかった!
 そこを皮切りに、道なき道を行ったり、工場街を彷徨ったり、畑で大根取って来たり、はたまた伝説の2時間営業「谷川米穀店」に並んだりしました。
谷川米穀店は期待を上回るおいしさで、しばらく私達のおいしい指標は「タニガワ」で表すようになったほどです。「1タニガワの価値に及ばない」とか。
 その日のノルマは8食。多くのうどんを食べ比べるために、リーダーから言われたメニューは「あつあつ」「あつひや」「ひやあつ」「ひやひや」のみ。さすがに5軒超えた頃から、私とAちゃんはちょっと飽きてきました。
 6軒目の店で見たイモ天に目がくらみました! 肉厚、黄色と赤い皮が衣から透けて見えるチラリズム。揚げたての湯気によるぼかし効果、ほのかに香る甘い匂い。たまらなくなり、Aちゃんと「2人で1個分けて食べれば大丈夫だよね」と購入。うどんも違う味が加わったせいか、箸が進みました。
 しかーし、7軒目の店が見える頃、私とAちゃんのおなかに異変が…。イモがおなかで膨れ、胃のスペースが0に。リーダーに「7軒目行く前にどこかで休憩しない?」と言っても、リーダーは攻める気満々で「どうして? 敵(戦ってたのか?)は目の前よ!」と。「実は…」とイモ天で胃がもたれていると打ち明けると、「あ~れ~ほ~ど~言ったでしょ!」とリーダーのお説教。仕方なく、私とAちゃんは車を降り、おなかを空かせるために店までジョギング。どうにか7杯クリア。
 うまい話にはわけがある、うまいイモ天にもリスクありなのでした。