sanuki story project

82七転び八転び 香川県  匿名希望さん
切ない話 その他
冬のある日。仕事が終わって自転車に乗り、敷地から段差を越えて道路に出た途端、バランスを崩した。まるでスローモーションのような数秒間を感じた次の瞬間自転車ごと派手に転んでしまった。
痛い…と思ったと同時に誰かに見られてないか、恥ずかしさが込み上げてきた。遠くから職場の人が走りよってきているのがわかった。とにかくこの場を離れなきゃと思い、痛みが走る右足を引きずりながら逃げるように自転車を起こし、その場を離れた。いつもズボンを履いてるのに、その日に限ってスカート。右足に目をやると、ストッキングがビリビリに破け、血まみれになっているのがわかった。早く車を停めている所まで戻ろうと右足をバックで隠しながらやっとの思いで車まで到着。しかし、ない!
車の鍵がない。さっき転んだ時に落としたんだ!と思い、また右足を引きずりながら転んだ場所へ。キラッと光る車のキーが見えた!あった!とちかよって行く私の前をタクシーが走り、ガリッという鈍い音の後、踏み潰された鍵の残骸が。
なんとか潰されながらも鍵の部分は残っていたので車に戻り、ようやく帰路に着いた。
次の日職場で笑い話にして笑い飛ばした。
それから一年後。右膝の痛みがふいに現れ、病院へ行くと。半月板損傷。その後半年の注射と戦うはめに。散々な出来事でした。