sanuki story project

362うちの嫁は胃袋破壊系 香川県  匿名希望さん
笑える話
「係長、最近顔が丸くなりました?」「え?そんなことないよ~」よくある社内での雑談だが、僕の両脇は汗がじっとりしていた。
心当たりは、ある。大いにある。先日、毎年実施される健康診断結果を貰った。封筒がズシリと重い。それもそのはずで、年を追うごとに体重とコレステロール値が右肩上がりなのだ。原因は、うちの嫁が作るごはんが、う・ま・す・ぎ・る。しかも毎日ゴージャス!なのだ。
「地産地消って大事よね」「今日、あなたの実家から頂いた白菜で、白菜ロール作ったの!」「山清の餡子でアンパン作ったの。食べてね~」「お母さんが教えてくれたちらし寿司のレシピ、再現してみました!ちょっと甘めだけど、美味しいよ」「兄が釣ってきたキスで天ぷら。揚げたて~」「津久茂麹で甘酒を作ってみたの」「曽保のおみかん美味しい!坂出のミカンもおいしい!」「スキレット買ってみた。仁尾でとれたタコと実家のジャガイモで、簡単アヒージョ!」「今日は結婚記念日だから奮発して鎌田牛のステーキ!ワインもさぬきワイナリー!」「ケーキ教室で作ったケーキ、イチゴはさちのか!」「実家で作ったお米、美味しいね!」「オリーブはまち、美味しいね!」
地元香川県は食材が新鮮で、うますぎる。それに「家族に食べささないといけない」と使命感に燃えた嫁が掛け合わさると、とんでもない事になるのだ。
「係長、高額な医療保険とか、生命保険に入ってないですか?」
「血糖値、やばくない?」
「健康診断の結果の封筒の中に、保健師さんと相談できる予約票が入っていませんでしたか?」
「仕事帰りにジムで筋トレしましょうよ」
心配してくれる同僚を笑顔でかわしつつ、今日もいい匂いのするマイホームへ帰宅する。
「おかえり!今日の晩御飯はね・・・」
なぜ僕の嫁は胃袋を破壊しにかかるのか。今日も嫁は全力で僕の胃袋を破壊しにかかる。どうなる、僕の胃袋。胃腸薬はどこだ。