sanuki story project

305忙しいお遍路さんの助っ人 香川県  匿名希望さん
感動した話
親戚のおじさんの話である。話によると、おじさんは当時、香川県三豊市に居た。観光でお遍路を回っていた。休暇は1週間、車を使うとはいえ、すべてを回るのは難しい。しかし、おじさんは全て回るつもりでいた。最初は意気込んで回り始めたが、4日目にしてやっと半分といったペースだ。休暇最終日には北海道へ帰るための飛行機に乗らなければならないため、あと回れる日数はせいぜい2日といったところだ。そんなこんなでベンチに座り考えあぐねていたおじさんに向かって「そこのお遍路さん、ちょっと。」と声がかけられた。この難しい問題を考えているさなか、私に話しかけてくるなど、一体誰だと思いしぶしぶ顔をあげると、そこにはいたって普通の、犬を連れた散歩途中であろう中年男性がいた。そしてじっとこちらを見ると一言、「ある場所に行けばその一ヶ所だけで八十八ヶ所回ったのと同じになるところがあるで。」と。‥‥‥ん??「うぁ〜。すごい眺めだなぁ。きれいだ‥‥。」香色山の山頂にいた。香色山に行けば、ミニ八十八ヶ所巡りができ、四国八十八ヶ所回ったことになるらしい。それを教えてくれたあの男性に今でも感謝しているらしい。山頂からの美しい眺めに感動したそうだ。「きれいな眺めだ‥‥うん、これで明日からも頑張れる。」こうしておじさんのおいとまは終了したのであった。