sanuki story project

19おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。 香川県  Yummyさん
その他 地域の話・その他
27歳の春。私は福山から高松へやって来た。理由は、、、高松が好きだから!
もともと高松には親友が住んでおり、今まで何度も来ていた。瀬戸内国際芸術祭やおいしいうどん、綺麗な商店街。そして何より温かい街の雰囲気が好きだった。たまたま、友人との集まりが高松であり、向かっている電車の中で
「高松に住むのもいいな~」
とぼんやり考えていたと言った私に親友が
「来ればイイじゃん!」
「うん!」
の2つ返事で、1ヶ月後、私は高松に来た。初めての一人暮らしや職探しでウキウキ、バタバタ。気分はまるで魔女の宅急便のキキの気分だった。

そんなこんなで、あっという間に月日は流れ5ヶ月が過ぎたある日、事件は起こった。いつもは仕事が終わるとすぐ家に戻るのだが、その日はたまたま会社のみんなとご飯を食べてから帰宅した。すると、大家さんが飛び出して来た。
「1室で火事があったんよ!」
「えぇ!」
もう鎮火後で、幸いにも火事は私の部屋ではなかったが、部屋は煙でいっぱいで息苦しく、ボーゼンとした。事件の全容は次の日ニュースでわかった。放火と窃盗で犯人は捕まってないらしい。
「こ、こわい…これからどうしよう?」
と悩み、結局引越すことにした。
「また引越しか…。家、探さなきゃ…。」
真っ暗な気分になった。家族に相談すると
「まあ、自分の部屋じゃないだけよかったじゃん」「部屋にいなかったから怖い思いもしてないし」「被害にあった人が一番かわいそう」
「そりゃそうだけど…。まだ半年もたってないんだよ?なんでうちのアパートなの?みんなは他人事だからそんなこと言えるんだ!」
と怒った。
「でも部屋探さなきゃ。」
仕事のある私の代わりに母が部屋探しに来てくれたのだが、奇跡の部屋を見つけた(母が)。会社から徒歩1分、綺麗で駅からも近い。オートロックで安全。即決した。
「こ、こんなことってあるの!?」
「結果オーライだね」
その時はなんだかモヤモヤした気分だったけど、今ならそう思う。とっても良いところに住めた。

そんな私も高松移住3年目。前の大家さんとの別れ際
「高松、嫌いにならないでね」
と言われたが、本当に来てよかったって心から思う。
「大好きだ高松。」
おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。