sanuki story project

16やさしい おもいで 香川県  n0124さん
その他 子ども時代・青春モノ
早くに父親をなくした高校生の頃の私は、高校までのJR定期券を購入する為にスーパーでバイトをしていた。
そこで、同じシフトに入っていた同い年の男の子と、仕事が落ち着いている時には話をしたりと友達のように過ごした。
私は、小学生の頃に男の子にひどくいじめられた経験があり、男の子が怖くてしかたなかったが、彼は彼らのような目で私を見ることはなかった。
「耳をすませばの、あのカントリーロードの歌がすきになったよ。」と言うと、「俺もすき。CDを買ったから貸すよ。」と言った。自転車でのバイト帰り、いつもの別れ道で「バイバイ」だけだったから、「夜遅くに女の子が帰るんだから違うこと言って」って言うと「気をつけて帰れよ」って笑って言ってくれた。
すきって気持ちは分からなかったけれど、その男の子のやさしさは感じていた。