sanuki story project

163良く当たる占い師 香川県  かつ坊さん
笑える話
20数年前。私が学生の頃、女子の間で”良く当たる”占い師がいると噂になっていた。その占い師は神社の近くに住んでおり、
もうよいお年のお婆さんとのことだった。

友達の間では、家族の病気のことや彼氏のことなど
本当に神様のごとく見透すかのように当てるのだという。

その頃私は就職活動もサークルの先輩ともうまくいってない時期でもあり、自分の先行きを知りたくなった
私は、あまり占いは信じないが、思い立ちその占い師のところへ向かった。

占い師の玄関で順番を待っていると
前のお客さんが感慨深げにでてきた。
これは、さぞよいお告げがあったのだろう。
私の番が待ち通しかった。
私の順番になり、玄関をあがると火燵のある居間に通された。
噂通り、かなり年老いたお婆さんがいる。

私は、今一番気になってることを開口一番聞いた
『私は卒業できますか?』
少し間があったように思う。
占い師のお婆さんが答えた。
『頑張れば...』
『はあ』私は唸った『それだけ..』
それ以上の続きは何もなかった。

もちろん、卒業に向けて一層の努力に努めたのは
言うまでもない。
今でも占いは信じず、成功は”努力”あるのみと信じている