sanuki story project

132灯火(ともしび) 香川県  匿名希望さん
感動した話
結婚した妻とのお話です。


私は香川県に生まれ、地元の大学を卒業後すぐに香川を離れ
地方でしがない営業マンとして就職。

仕事で数字に追われる日々。
日に日に入社当時の新鮮さも、心の潤いも、余裕もなくなり俗世間に嫌気がさしていた。
ある夜、残業を終え深夜、近くのスーパーの袋を片手に帰宅。
ポストから郵便物の束を掴み家に入る。チラシなどと共に一通のはがきが混じっていた。

『同窓会のご案内』
女性の綺麗な文字で書かれた手紙だった
しかし私は意に介さず、郵便物をテーブルに放りだし弁当を広げビールを飲みながら眠ってしまった。

朝、目覚め気がつくと、はがきを握りしめていた私。

同窓会の為、貯まっていた有給を使い実家に帰ることにした。
年老いた母と父に合うのも久しぶりだった。

同窓会当日。高松市内のお店に10数名ほどが集まり会が始まった。
話に華が咲き、お酒も回った頃、
幹事が本日のメインイベントっと声をあげ、机の上に『タイムカプセル』と書かれた箱が置かれた。

同級生から『開けてみろ』っと諭され中身を見ると茶色い封筒が1つだけ入っていた。
封筒を取り出し呼んで見た。

そこには当時、付き合っていた女性から想いのメッセージが書かれていた。
就職してのち仕事に打ち込むあまり忙殺され長い間、音信不通になっていた彼女。

『自分には大切な人がいた。』とこのときはっきりっと意識した。
手紙から顔をあげるとそこに彼女が立っていた。
周りから拍手が起こり、やっとこの会の意味を理解した私。
同級生と彼女が企画してくれた僕のためのサプライズだったのだ

会が終わり彼女を送る為、店を後にして高松駅まで歩いた。その間二人とも無言だった。
駅に着く頃、もう少し歩こうかと誘った。

彼女は黙って頷きついてきてくれた、海沿いを歩き、
せとしるべ(赤灯台)の下まで歩いた。
今までのことを謝り、灯台のしたで自分の気持ちを伝え今に至る。