sanuki story project

76母がくれたもの 香川県  匿名希望さん
不思議な話 家族ネタ
私には両親が今はいない。他界しているからだ。父は私が幼い時から病弱だった。母は農家育ちでスポーツが得意だったということもあり、当然のように健康だと思っていた。
去年の3月2日金曜日の夜、仕事帰りに特段用事は無かったが、久しぶりに実家に寄ってみた。なかなか病院に行かない母を説得するのも理由であった。私が実家に着いたそのタイミングで体調が急変。母の意識はしっかりしていたので症状は軽いだろうと思いつつ、念のため救急車を呼び市内の病院へ。大きな病院に入った安心感もあり、当然すぐに退院できると思っていた…。なかなか処置室から出てこれず。時間が経過するばかり。だんだん焦る気持ちも混じりだす。
時刻は12時を回り「3月3日」になった頃、母は亡くなってしまった。
悲しみの感情もあったが、なぜか妙に嬉しく納得したような気分であったのを覚えている。それは他人では知り得ない感情。その理由は私が昔から憧れている野球選手の背番号「3」が2つ並んでいたからだ。
これは母がくれた最後のプレゼントだと。