sanuki story project

59電車で 香川県  白川陽一さん
驚いた話 その他
サンポート高松に用事があったので、
電車のほうが便利でええわと思い、久しぶりに電車に乗った。
多度津駅で5歳くらいの男の子とお母さんが乗ってきて、私の隣に座った。
あいにく混んでたので、男の子だけが座れた。
そして、丸亀駅に着くと、さらに大勢乗ってきたので、
私は「寝てますよ~」って感じで目を閉じてうつむいてた。
すると隣の男の子が「おじいちゃん、どうぞ」と席を譲るではないか!
本当なら私がやらなければいけないことを、こんな小さな子供が。
私は寝たふりをしてる自分が恥ずかしく顔を上げることが出来なかった。
その後も「おじいちゃん、どこまで行くん?」とか、
おじいちゃん、おじいちゃんと愛想よく話しかけ、
お年寄りのほうも「国分寺まで行くんで」とか、
ほんとの孫のように楽しく喋ってた。

次は国分寺となったとこで、
「次で降りるきんな。ここ座り」と再び男の子に席を譲った。
「うん!」と嬉しそうに座る男の子。

国分寺駅に着き、降りる間際、
「バイバイ、おじいちゃん」と言った男の子に、そのお年寄りが一言。

「バイバイ。でもな、ぼく・・・・・おばあちゃんやで」