sanuki story project

50祭りほっこ 香川県  匿名希望さん
その他 地域の話
 西讃地区のちょうさ祭りは有名である。特に私の故郷、豊浜はほかにないんか?というぐらい祭りが盛んで、正月や盆には帰ってこんでも、祭りには帰ってくるんよなという人が多い街である。
 私が中学生のころ、七じょうに上るのは中学3年生の男子で、みんな黄色いたすきをもらいヘルメットをかぶっていた。男子は、早く自分も上りたいとあこがれていた。机で太鼓をたたく練習をしたり、組み立てが始まったら、朝早くから放課後遅くにもちょうさを作る場所へ行ったりと、まつりほっこはますますほっこになっていく。
 それは中学生に限らず、幼い子どもにも当然伝染する。ある子どもは、自分に買ってもらったはっぴを毎日出してはさすり毎日たんすにしまうということをしていたし、太鼓の音を聞けばそれがどこの太鼓の音かもわかるほどであった。そういう子どもにしていくのは当然大人の影響があるわけで、あるじいちゃんはついに手作りちょうさ(なかなか本格的な)を孫に作ってやった。孫とその一味は冬の寒空にも来年の秋をめざしてちょーほいという掛け声とともにじいちゃん手作りちょうさをかくのであった。保育所や幼稚園にもちょうさはあり、子どもたちがかいて遊ぶ。
 いったいなぜこんなに燃えるのか?遠く離れた都会で秋きんもくせいのにおいをかいだとたんに「あ、ちょうさ」と言っている人がいたら、それは祭りほっこの仲間である。