sanuki story project

280 岡山県  水井優生香さん
悲しい話
目覚めたらいつもの布団にあなたがいない
家中ありとあらゆるいろんな場所を探しても見つからない
玄関を見ると靴はある
外はすごい嵐だ、でもよく見ると高松でみたあの栗林公園が広がっていた
あたしたちは栗林公園にいるのか?
でも家の中はそのまんま、もう一度靴箱に視線を移す
あなたのサンダルがない
携帯を見るとあなたからの着信がある
一体どこへ行ってしまったのだろう
あたしは叫ぶごめんなさいごめんなさい
ひどいことしてごめんなさい
あなたがいない人生は考えられないよ、あたしひとりを置いてきぼりにしないで
声ががらがらになるまでに何度もあたしは公園に向かい叫ぶ
だが彼はもう何年も前からこの世にいないはずだった