sanuki story project

243チョイス イン パーキング 香川県  きちゃのまるさん
笑える話
車の免許を取って間もない頃の話。
まだまだ運転の経験も少なく、正直僕の運転技術はまだまだ未熟。というかド下手。
それでも買い物をするため、1人で車に乗って町へ出発。
学生でお金もあまり無いので、出来るだけ安いコインパーキングに停めようと、街中を探し回る。
そして見つけた小さな安いパーキング。
しかも他の車も無く、入れやすい。
意気揚々と1番奥に頭から停め、買い物へ向かう。
お目当ての品を買い、ご機嫌でパーキングへ戻ってきた僕。
その時、目の前の光景に一瞬息が止まってしまった。
パーキングはいつのまにか満車になり、狭いパーキングのため少々複雑な形に停められた車たちの1番奥にある自分の車。
どう考えても自分の運転技術では出られそうにない。
だがやるしかない。
パーキング代を払い、不安と共に車に乗り込む。
何とか脱出を試みるが、どうハンドルをきればいいのか分からず切り返しを繰り返す。
どのくらいの時間戦っていたのか分からないが、まるで解けない知恵の輪状態。
無理をして他の車に傷でもつけてしまったら大変だ。
これはもう降参です。
僕は最初に停めていたスペースに戻り、他の車が出るのを待つしかなかった。
それからどのくらいの時間待っただろう。
日も暮れてきて、ようやく1台、そして2台と車が去り…
ようやく僕の視界には久しぶりの車道が見えてきた。
再び車を降り、精算機へ向かう。
予定していなかった駐車代金と時間だけを消費し、
2軒目のお店に向かうことなく寂しく家路についた僕であった。
今でもコインパーキングでは、入り口近くしか怖くて停められません。