投稿作品sanuki story project

　香川の進学高校の優等生である彼と彼女。二人は、お互い成績争いをするライバルだ。負けず嫌いな二人は授業以外でも図書室で必死に勉強をし続ける。気づかないうちに二人だけで過ごすが多くなっていた。
　七月上旬。前期期末試験の結果が出た。彼女は彼に負けたという事実に直面する。帰り道でふらふらした彼女は周りに注意しなかったため事故に遭う。
　事故のことを知った彼は、彼女の病院に向かうと、彼女は車いすに座っている。
　彼女は彼に憎みをもって帰れと言ったその後、彼女は車いす生活を余儀なくされる。だが、彼は、彼女のことを放ってはおけずに、八十八カ所遍路に誘う。
「奇跡が起こるかもしれん」と彼に言われた彼女は、夏休みを使って行ってみることにした。
　彼女の車いすを後ろから押してあげた彼と二人は霊山寺に着いた。雨の時に彼は彼女に傘をさしてあげ、冷えて夜に彼は彼女の首にマフラーを巻いてあげた。ずっと暗い顔で黙っていた彼女はようやく、彼に話かけるようになった。
　夏休みの終盤、大窪寺に着いた二人。
　彼は彼女に背を向けて祈る。そのうちに、ふと、肩に何か触れたと感じた。振り返った彼の目に自分の足で立っている彼女がいた。
「奇跡、やっぱあるね。ありがとう」と彼女が言った。
　彼の目に涙があふれる。