sanuki story project

183うちのプリンちゃん 香川県  匿名希望さん
悲しい話
わが家に、ときどきやってくるのら猫がいました。
最初は、エサをあげたりしていたのですが、「プリンちゃん」と名付け、かわいがるようになりました。
そのうち、母が捕まえて避妊をしたり、ノミ取りや予防接種をしたりして、みちがえるようにかわいくなっていきました。

そんなある日、「プリンちゃん」が初めて帰ってきませんでした。
もともとのら猫だったから仕方ないと思っていましたが、その後、
一週間くらいかえって来なかったのです。

私や母は近所中を「プリンちゃーん!」と言いながら駆け回りました。
それから1か月、プリンちゃんは帰ってこず、もう交通事故に遭うなど、
死んでしまったのだと思い、家族で号泣しました。

それから3年、私が回覧板を持って家の裏の道を歩いていると、
道の真ん中に、見覚えのある顔が…!

「プリンちゃん!」
私は、思わず、叫びました。
そこにいたのは、間違いなく「プリンちゃん」だったのです。
私はすぐに家に戻り、母とエサを持って、プリンちゃんに近づきました。

すると・・・・
裏の家の中から、「メロンちゃーん」という声が聞こえてきました。
プリンちゃんは、私たちを少し怪訝な顔で見たあと、裏の家の中に
入っていきました。
「え?」
私と母は茫然としました。

なんと、行方不明かと思われた3年前から、「プリンちゃんは」裏の家で「メロンちゃん」として飼われていたのです。
もともと両方の家からエサをもらっていたらしく、母が動物病院などに連れて行ったのが、よっぽど嫌だったのか、うちの家に寄り付かなくなっていただけだったのです。

感動の再会から一転、衝撃の出来事でした。