sanuki story project

284以心伝心 香川県  たきちさん
笑える話
4月のある夕刻、会社帰りに新1年生ぽい女の子を見かける。
彼女は、車の往来が多い道路の向こう側の友達と大声で話していた。
向こう側「だ・か・ら、ゆ・か・ち・ゃ・ん・が、ば・ん・に×××」
握った拳と弾む全身から、力一杯の声を出しているのが良く判った。
こちら側「な・ー・に?き・こ・え・な・い」
生憎、後半部分で停車中の車が動き出し、その音で向こう側の声は聞こえなかった。ただし、こちら側の声も聞こえていないようだ。
向こう側で、軽くジャンプしながら何かを言っているようだが、こちら側には聞こえてこない。
こちらも、ジャンプしながら「きこえなーい!」を繰返している。
信号が変わり、全ての車が止まった。
向こう側「何を言うたか判らんかったと、帰ったらお母さんに言うて!」

私の心の声『え?今やろ。今やったら聞こえるで』

こちら側「うん、判った!」

私の心の声『え?それでOKなんかい!』

2人は小走りで、去った。