sanuki story project

260シャイボーイ空へ 香川県  りんごじゃむさん
感動した話
姉夫婦と小学1年の甥のけいちゃんが香川県に遊びにやってきた。
久しぶりの再会。
高松空港に迎えにいくと初めての飛行機に緊張したのかいつもより少しおとなしいけいちゃんがうつむきながら恥ずかしそうにあらわれた。
「ようこそ!香川県へ」
1泊2日の短い旅、さっそくうどん屋さんへ案内した。
「けいちゃん、このお店のおすすめは釜玉うどんだよ!」
「俺、ざるうどん」
「・・・。」
「けいちゃん、うどんおいしい?」
「ふつう」
「・・・。」
「次はどんなうどん屋さん行こうか」
「お腹いっぱい」
「・・・。」

そう言わずに行こうよと、その後も何軒かうどん店をめぐり、こんぴらさんにも一緒に登った。口数も少なく先頭に立ってどんどん先に力強く進むけいちゃん。
ヘトヘトになりながらついて行く大人たち。

手打ちうどん体験もした。
めんどくさいと言いたそうな顔をして首をひねりながら人差し指でかたまりのうどんをつついているけいちゃん。
反対にやる気まんまんな様子で先生の話を熱心に聞く姉夫婦。
結局、ほとんどの作業を姉夫婦がやってしまうこととなった。
その後、おいりソフトを食べながらわいわい楽しんでるのは大人だけのような気がしてきた。

夜になって骨付鳥を食べに行った。
「けいちゃん、クリスマスみたいじゃないー。」
「手が汚れた。」といい体をたてに揺らしながら骨付鳥にかぶり付くけいちゃん。

楽しんでくれているのかもわからない様子に少し寂しさを感じた。

こうしてあっとゆうまに時間は過ぎた。
またしばらくの間お別れ。
空港への見送りの際に、小さく手を振ってくれたけいちゃん。
それから数時間が経ち姉からのメール
「飛行機の中でけいちゃん帰るのが嫌だとずっと泣いてたよ。」と

また来てね。けいちゃん!