sanuki story project

231引田の戦い。森権平と大坂侍 大阪府  阿讃さん
その他
森権平庵
引田の戦いで壮絶な討ち死にを遂げた若き侍「森権平」の武勇を讃え、またその早すぎる死を悼み、地元の住民たちにより建立された、この庵は今も足腰の神様として地域から愛されている。これは彼が死を迎える前に出会った不思議な侍との物語である。

天正11年。織田信長の跡を継いだ羽柴秀吉は四国征伐の先兵として2千の兵を讃岐へと送り込んだ。迎え撃つは四国の雄 長宗我部元親の軍勢2万。両軍合わせて2万2千の武士の中に大坂からやってきた一風変わった男がいた。
「戦は銭や!太閤はんは針売り、あの斎藤道三や松永久秀も出自もわからん商人上がり。名誉や身分のために戦うんはアホのすることこっちゃ!」と言い切る。
運命のいたずらか、この大坂侍は羽柴方武将 森権平の配下となり長宗我部勢に奇襲攻撃をかける。10倍の敵を相手に奮闘する二人であったが、それらは全て長宗我部の策であった。やがて狭い山あいに追い詰められ絶体絶命の中で、相容れない二人の価値観が不思議な交錯を見せる。そして最後の時が訪れようとしていた。