sanuki story project

206少年時代 香川県  しかの こうへいさん
切ない話
夏祭り、宵かがみ…。24の夏、俺は久しぶりに故郷へと戻ってきた。長く会ってなかった両親に会いに、という名目で、自動車教習所に通っていたのだ。今日び免許の一つも持っていないといけない時代も首都圏では終わり、あくまで見栄を張っての免許証取得だったのだ。
そんなある日、座学と実習の入れ替わりの休憩時間に、ふと後ろから声をかけられた。
「あら、主人公君。久しぶりじゃない!」
彼女は中学時代に仲の良かった女性だった。
それから俺の毎日はハッピーだった。毎日彼女と笑い、遊び、時には食事を共にした。
一週間も経った頃である。彼女の友人と名乗る女性から、忠告を受けた。
「彼女、この冬に結婚するんだから、変なちょっかい出さないで!」
俺は、この時になって初めて自分の気持ちに気付いたのだ。彼女へ抱いていた、淡い気持ちを。
教習所生活の終わりは近付いてくる。
俺は、自分の気持ちを伝えようと試みたのだが…。
もう戻れないあの時をもう一度!
淡い青春ラブストーリー!