sanuki story project

56わたしものがたり 香川県  小野しおりさん
その他 家族ネタ・子ども時代
私には諦めきれない夢がある。

西暦2000年の4月、8歳の私…小野しおりはその日の夕方自宅のテレビの前で目を輝かせていた。
「ご飯できたよ〜。」母の声がする。
夕方6時、我が家の夕食はだいたいその時間だ。
食いしん坊の私はいつもすぐ食卓に走る。
しかしその日は断固として動かなかった。
「しおりちゃ〜ん!」
全員が揃わないと我が家の食事は始まらない。
母の声が響く。それでも動かない。

その日、テレビではドラマ『六番目の小夜子』が放送されていた。
私は釘付けになって動けなかった。
母の声はもう聞こえなかった。

ーこんな風にドラマに出たい。女優になりたい…ー

その日から私の夢は「女優」になることだった。
その夢を叶える為に、私は走り出す…はずだった。