投稿作品sanuki story project
27妖しいルージュ
香川県 匿名希望さん
怖い話 その他
もう20年くらい前の話です。
職場の有志で高松まつりに参加しました。
総おどりで中央通りを踊っていると、沿道から何か妙な視線を感じました。
ふと目をやると、歩道の見物人の中から、全く知らない一人の女性がじっとこちらを見ていました。
いや、女性じゃない! 女装をした男が妖しい眼でこちらを見ているのです。
私は気持ち悪くなって、踊りの列を変えて進みました。
折り返して来ると、また妖しい視線を感じました。はたして、その人がじっと見ていました。
後味の悪さを残しつつ、総おどりは無事終了しました。
それから、このことはすっかり忘れていましたが、ある日、飲み会があるため、琴電で出勤しました。
電車を降りて職場に着くと、後ろから同僚が声を掛けてきました。
「どしたん、背中、背中!」と言うので、
以前、鳩の糞をスーツの上着につけられたことがあったため、またか、と思いつつ、上着を脱いで背中を見てみました。
スーツの背中のど真ん中に、紫色のルージュのキスマークがくっきりと付いていました。
ぞっとしました。
その後、しばらく琴電に乗るのは見合わせました。
高松まつりの件とキスマークの件とを関連づけるものが何かある訳ではありませんが、なぜか二つの出来事を関連して記憶しており、今でも思い出すたびに、ぞっとします。
職場の有志で高松まつりに参加しました。
総おどりで中央通りを踊っていると、沿道から何か妙な視線を感じました。
ふと目をやると、歩道の見物人の中から、全く知らない一人の女性がじっとこちらを見ていました。
いや、女性じゃない! 女装をした男が妖しい眼でこちらを見ているのです。
私は気持ち悪くなって、踊りの列を変えて進みました。
折り返して来ると、また妖しい視線を感じました。はたして、その人がじっと見ていました。
後味の悪さを残しつつ、総おどりは無事終了しました。
それから、このことはすっかり忘れていましたが、ある日、飲み会があるため、琴電で出勤しました。
電車を降りて職場に着くと、後ろから同僚が声を掛けてきました。
「どしたん、背中、背中!」と言うので、
以前、鳩の糞をスーツの上着につけられたことがあったため、またか、と思いつつ、上着を脱いで背中を見てみました。
スーツの背中のど真ん中に、紫色のルージュのキスマークがくっきりと付いていました。
ぞっとしました。
その後、しばらく琴電に乗るのは見合わせました。
高松まつりの件とキスマークの件とを関連づけるものが何かある訳ではありませんが、なぜか二つの出来事を関連して記憶しており、今でも思い出すたびに、ぞっとします。