sanuki story project

251窓の向こう 香川県  きちゃのまるさん
怖い話
その日も仕事が遅くなり、会社にいるのは深夜に自分1人。

どうやらいつのまにか雨が降ってきたようで、ザーザーという雨の音に気づく。

傘持ってきてないのになぁ、などと思いながら仕事をしていると、「コツコツ」という音が…

気にはなったが、そのまま仕事を続けていると「コツコツ…コツコツ」とずっと鳴り続けている。

ふとその音のする方を見てみると、その先にあるのは窓。

窓にはブラインドが閉まっており、外の様子はわからない。

気になって窓に近づいてみる。

怖さがあったが、恐る恐るブラインドを開けてみた。

するとそこには、不気味に微笑む男性が!

ワ!っと思わず悲鳴をあげてしまったが、よく見ると窓に映った自分の姿のようだ。

コツコツという音も、外に生えている木が強い風で揺れ、枝が窓に当たっていただけのようだった。

ホッとして席に戻り、仕事を終わらせて帰宅した。

家に帰って、自分のビビリ具合を思いだし、思わず苦笑いだ。

でもよくよく考えると、ビビリながらブラインドを開けたハズなのに、窓の向こうの顔はなぜか微笑んでいたような…