sanuki story project

135JAMAICAN DREAM 香川県  MASAさん
切ない話
中学校でやんちゃな生徒の相手をするのが私の仕事です。

4月、昨年と同じある郊外の学校に派遣されると、新しいALT(外国語指導助手)が着任していました。

廊下から彼女の授業を眺めながら、私は生徒達と一緒にいろんな事を学びました。ジャマイカでは英語が公用語であること、国旗の斜めのクロスの色は実は黄色ではなく金色だということ、ブルーマウンテンがある国だけどコーヒーはあまり飲まない、などなど。

でも、職員室では仕事以外で話しかける先生もおらず、彼女は寂しそうに見えました。そこで私が思い切って英語で話しかけると、想像していた以上に会話が弾みました。たぶん私の発音や文法が間違っていたり、私が聞き取れない部分も結構あったりして、お互い通じてない部分も多かったと思います。でも、おそらく生まれて初めて、私は英語を聞いたり話したりするのが楽しい。と感じたのです。

それからは、毎週水曜日の仕事の合間に、彼女と英会話をするのが楽しみでした。ジャマイカについて調べたり、レゲエを聞いたり、もちろん英語の勉強も始めました。彼女はスタイルも良くておしゃれで、私は初めて黒人女性に対して魅力を感じました。もちろん、私は妻子持ちで彼女と不倫したいわけでも何でもありません。ただ、彼女と出会ってから私は世界が広がったような気になりました。自分が思い込んでいたよりも、この世界はずっと広い!