sanuki story project

114じいちゃんのどじょう汁 香川県  リヲンさん
切ない話 家族ネタ・その他の食べ物
じいちゃんが死んだ。
10年前の話。

一番好きやったじいちゃん…。
あんなに元気やったのに。
急に倒れた。
脳出血やった。
どうしようもないのは分かっとるけど、悔しかった。

しばらくの間、立ち直れんかった。
何ヶ月も…。
何ヶ月も…。
夜がきたら泣いて、みんなを困らせた。

ある時、ばあちゃんがどじょう汁を作って
泣くばっかりのうちにそっとだしてくれた。

じいちゃんの味やった。

大会で賞を貰ったこともある、
じいちゃんの味そのものやった。
めちゃくちゃ泣いた。
どじょう汁やら涙やら分からんくなりながら
うどんをすすった。

次の日から、泣くばっかりの生活をやめた。

ばあちゃんがじいちゃんを大事な伴侶として忘れてないように、
私もじいちゃんを大事なじいちゃんとして忘れんことにした。

ずっと空から見守ってくれてるんやって。

今でも思い出すだけで泣きそうになったりする。
でも、ばあちゃんが作ってくれたじいちゃんの味のどじょう汁を今でも食べながら頑張ってる。

今はおかんがどじょう汁修行中。

次は…。

うちやな。